マンションにとって大規模修繕は最大の課題といってもいい。113社のマンション管理会社が登場する特集『マンション管理 天国と地獄』(全18回)の#15では、工事が適切に行われるか、管理組合側に寄り添った専門的なアドバイスを行うことができる管理会社を見極めるべく、建築・修繕関連の有資格者に関係する指標からランキングした。その結果、大規模修繕件数や売上高ではなく、技術力や対応力を見るための独自色の強いデータとなった。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子、山出暁子)
大掛かりで面倒な
大規模修繕での対応力を見るには?
マンションはいつまでも新築のままではない。当たり前だが、あなたが入居した瞬間から少しずつ劣化していく。
その劣化を防ぐことは、管理組合の大きな役割の一つだ。しかし、本特集#8で触れたように、大規模修繕や建替えには大きなハードルが立ちはだかっている。修繕に関する管理組合の悩みは大きいのだ。
ならば、少しでも管理組合や住人の不安を減らすためにも、大規模修繕に強いマンション管理会社を選びたいところ。
そこでダイヤモンド編集部では初めて、「大規模修繕への対応力」にフォーカスした独自ランキングを作成した。
大規模修繕は、定期的にマンション全体に足場を設けて行う大掛かりな修繕・改修工事。マンションの資産価値の維持・向上には欠かせない。工事費用を含めた大規模修繕工事の予定を立てることを長期修繕計画というが、この計画に沿って大規模修繕はおおむね12~15年の周期で行われる。
この大掛かりな工事に関して、管理会社がどれだけ専門的なアドバイスができるか、その対応力を見るために、建築や修繕関連の有資格者がどのくらいいて、どの程度手厚く対応してくれるかについて、資格者データを基に指標を作成、その点数(20点満点)で独自にランキングした(指標の評価基準や詳細な算出方法は記事の末尾に掲載)。
今回は、マンション管理事業そのものの実力を比較できるよう、大手でもマンション管理事業売上比率が50%を切っている数社は外した。加えて、中堅の良い会社を見逃すことのないよう、管理戸数が2000戸以上の会社を対象とした。
これまで掲載した本特集の「#2総合ランキング」や「#7社員パワーランキング」でも同じ傾向が見られたが、管理戸数や売上高を基準に作られる既存のランキングの上位には名前が挙がってこない管理会社が並んでいる。
では、早速ランキングを見ていこう。マンションの購入や売却を考えているのなら、必読だ。