日米テンバガー投資術#2Photo:traffic_analyzer/gettyimages

最高値更新を続けてきた上昇相場から一転、年明け以降は軟調な展開に揺れる米国株式市場。特集『今こそチャンス!日米テンバガー投資術』(全16回)の#2では、長い目で見てさらなる株高が期待できる注目企業をプロが厳選し、延べ26銘柄をリストアップした。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

GAFAMやテスラは買えるのか?
先行き不透明感は強いが「仕込み時」

「遠くの戦争は買え」――。無慈悲で不謹慎だが、市場にはこんな格言がある。実際、ロシアがウクライナの軍事施設へのミサイル攻撃を実行した2月24日。同日の米株式市場では、取引開始後こそ大幅安で始まったものの、主要株価指数のダウ工業株30種平均やナスダックなどは最終的に前日比プラス圏に浮上した。

 市場で次第に「ウクライナ危機を受けて米国の金融引き締めペースが緩む」との観測が台頭したことが支えとなった形だ。ただしこの先、さらに地政学リスクが増大すれば、投資家のリスク回避姿勢が強まり、大幅安となる展開も否定できない。

 そもそも振り返れば年明け以降、米金融政策の先行き不透明感から米国株は軟調な展開となり、力強く最高値更新を続けてきた昨年までとは状況が一変していた。つまり、市場環境は決して好ましい状態ではない。

 だが、実はこんなときこそ、投資では絶好の「仕込み時」になり得る。というのも、株価の大本は各企業の収益力。投資家心理の悪化で一時的に売られても、優良な成長株であれば次第に業績に見合った株価へと揺り戻しが起きるし、その先も利益を拡大するほど、株価も上がっていくことが期待できるからだ。

 その際、重要なのはどの会社へ投資すればよいのか。もちろん日本にも見るべき銘柄は多いが、世界の株式市場の本丸、米国にはこの問いにふさわしい高成長企業がひしめき合っている。

 そこで次ページでは、長期的にさらなる成長が見込める米国市場の有望株をプロ3氏が厳選。米国株を長くウオッチする大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジスト、マネックス証券の岡元兵八郎チーフ・外国株コンサルタント、SBI証券の榮聡シニア・マーケットアナリストが延べ26銘柄を選び出した。

 各銘柄について、時価総額や株価、日本で投資する場合の最低投資金額の目安を示すとともに、各氏が注目する理由をコメントしてもらった。GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック〈現メタ・プラットフォームズ〉、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)やテスラの株は買えるのか?ウクライナ危機で注目の知られざる銘柄とは?以降、一挙に明らかにしていこう。