日経平均株価は3月上旬に2万5000円を割った。ウクライナ危機による一段の資源高や主要国の金融引き締め懸念が株価の足を引っ張った格好だ。弱気派のストラテジストは、徐々に進む経済活動再開を受けた株価の反騰を見込むも、2023年3月末に3万円を超えることはないとみる。特集『午後10時の日本経済 激変!為替・株価・物価』(全8回)の#5では、3万超えはないと判断した根拠に迫る。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
物価高と金融引き締めが
株価の足を引っ張る
日経平均株価は2021年9月末に3万円を割り込んで以来、大台を回復していない。それどころか、現在は2万7000円台で推移しており、3万円に遠く及ばない状態が続いている。
ロシアのウクライナ侵攻で原油などエネルギー価格や小麦などの穀物価格が高騰したことに加え、日本以外の主要国の中央銀行が金融引き締めに向かい始め、世界経済の景気減速の懸念が高まったことが足を引っ張っている。
現に、IMF(国際通貨基金)は、4月19日に物価高と金融引き締めを理由に22年の世界経済の成長率見通しを0.8%引き下げ、3.8%とした。日本の22年の成長率見通しも2.4%と0.9%引き下げられた。
ダイヤモンド編集部は今回、今後の株価動向について、8人の株式ストラテジストに緊急アンケートを行い回答してもらった。23年3月末の予想株価が高い方の4人と低い方の4人に分けて結果を掲載する。#5ではまず、株価予想が低い方の4人のアンケート結果を掲載する。
4人のうち2人は、23年3月末までの高値が3万円未満だった。なぜ、3万円を超えないと予測しているのか。その根拠を次ページで解説していく。