「仕事で英語を使う」にはどんなスキルや経験が求められるのか。今年3月まで米シリコンバレーの企業であるLinkedIn(リンクトイン)の日本代表を務め、現在は米グーグル日本法人に所属する村上臣氏に話を聞いた。村上氏には海外留学や長期滞在の経験はないが、現在、日々各国の関係者たちと英語でやりとりをしている。どのように英語力を伸ばしたのか。また、英語を使って仕事をする上で最も大事なこととは何か。(構成/ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
海外留学経験なしのビジネスマンが
英語学習に一念発起したきっかけとは?
僕はもともとエンジニアなので、学生の頃から英語のドキュメントを読む機会はありました。しかし、英語を話すといったアウトプットは全くなかった。学生時代の英語力はTOEICで500点ないくらいのレベルだったと思います。
社会人になって以降、たまにプロジェクトで英語を使ってやりとりをすることはありましたが、本格的に英語を使わなければいけなくなったのは、ヤフーの執行役員を務めた時。ニケシュ・アローラ氏がヤフーの取締役会長に就任したことが大きなきっかけですね。
当時ヤフーはモバイルシフトを打ち出していて、僕はモバイル担当だったので、月に何度も彼と話をする機会がありました。社内にも通訳はいたのですが、スピードが速いのと、テクニカルな内容を多分に含むので、通訳を介した会話にニケシュもストレスを感じていたようです。これは英語を頑張らないといけないな……と思いました。
英語を使わなければいけない環境になって最初に感じた課題は、「言葉が出てこない」ことです。時間を取ってメールを書く場合は今まで学んだ文法でどうにかできるんですが、話すとなるとそれがすぐ出てこない。言いたいことはあるのに、それをうまく組み立てることができない状況にあることが分かりました。