コロナ禍で企業と学生のあらゆる接点がオンライン化した。さらにウクライナ情勢により経済の先行きが不透明になっているが、就職活動はどんな影響を受けているのか。特集『就職人気企業ランキング 2023年卒後半戦調査』では、2023年卒の「文系男子」「文系女子」「理系男女」の就職人気企業ランキングを作成した。#2では、文系女子のベスト150をお届けする。(調査・分析/株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソース 経営企画室室長 髙村太朗)
「女性推進」積極企業が上位に
伊藤忠商事が1位
伊藤忠商事が22年卒前半戦調査以来の1位となり、文系男子と2冠を達成した。また、丸紅(3位)、三井物産(4位)、三菱商事(5位)、住友商事(8位)と総合商社5社がトップ10に入り、文系女子においても人気の高さを見せつけた。
1位の伊藤忠商事は、採用ページに登場する先輩社員の半数以上が女性と、積極的に情報発信しているほか、「働き方改革」への先進的な取り組みも人気の一因だろう。
3位の丸紅は、ダイバーシティ&インクルージョン(多様な人材を尊重すること)の一環として、20年1月に「総合職の新卒採用に占める女性の割合を現状の2~3割から、2024年までに4~5割程度に引き上げる」ことを社長自らが宣言。22年卒入社実績は4割に迫る。こうした取り組みが浸透し、大きく順位を上げた。
また、東京海上日動火災(2位)、三井住友海上火災保険(6位)、三菱UFJ銀行(9位)、大和証券グループ(10位)を含め、トップ10に金融機関が4社入った。
文系女子は、女性が安心して長く働ける環境や、入社後に実際に福利厚生の制度を活用できるかを重視する傾向がある。大手金融機関は伝統的に女性の採用数が多く、制度の活用実績も申し分ない。
東京海上日動火災保険(2位)は、社員の約半数を女性が占めており、ロールモデルも豊富だ。採用サイト内のインタビュー動画には複数の女性社員が登場。仕事のやりがいや職務のコース選択の理由、女性から見た働きやすさなど、女性目線からの情報発信にも積極的だ。
文系女子に圧倒的人気を誇ってきた旅行・航空業界は、コロナ禍の影響をダイレクトに受けて人気が下降していた。ただ、採用再開を受けて日本航空(JAL)(100位→38位)、全日本空輸(ANA)(121位→58位)、JTB(104位→48位)と順位をやや戻した。女性人気の高いテーマパークを運営するオリエンタルランド(75位→61位)も回復基調だ。
早速、ランキングをチェックしよう。