JRPhoto:PIXTA

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、1〜3月度の鉄道(JR)編だ。

JR各社の業績は前年超えラッシュでも
全く安心できない理由とは?

 鉄道(JR)の主要4社が発表した2022年1〜3月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯JR東日本の鉄道営業収入
 1月度:前年同月比139.6%(39.6%増)
 2月度:同116.6%(16.6%増)
 3月度:同106.3%(6.3%増)

◯JR東海の新幹線の利用状況
 1月度:前年同月比212%(112%増)
 2月度:同134%(34%増)
 3月度:同134%(34%増)

◯JR西日本の運輸取扱収入
 1月度:前年同月比142.4%(42.4%増)
 2月度:同110.1%(10.1%増)
 3月度:同111.2%(11.2%増)

◯JR九州の運輸取扱収入
 1月度:前年同月比131.2%(31.2%増)
 2月度:同103.9%(3.9%増)
 3月度:同107.3%(7.3%増)

 4社全てが3カ月連続で増収を達成している。次ページで詳しく解説するが、実は4社全てが6カ月連続の増収となっている。

 このようにJR各社はコロナ禍からの回復を遂げているように見えるが、実はどこも手放しで喜べるような状況ではない。各社の約2年に及ぶ時系列データを確認して、何が起きているのかを確認しよう。