必須ミネラルの一種である亜鉛は、男性にも女性にも積極的に摂取してほしい栄養素。さらにミドル世代が抱える体の悩みにも、亜鉛は効果的だ。ところが、運動の習慣がある人は亜鉛不足に陥りやすいことはあまり知られていない。書籍『脳の毒を出す食事』(白澤卓二著、ダイヤモンド社)を参考に、亜鉛がもたらすメリットと、運動好きな人にこそ知ってほしい亜鉛不足のリスクを解説する。(文/フリーライター 鈴木 舞)
亜鉛は体の成長や修復に
欠かせない栄養素
必須ミネラルのひとつである亜鉛は、人間の体の成長や修復などを担う栄養素だ。驚くべきことに、亜鉛は全身の細胞内に存在している。
「牡蠣などに多く含まれる亜鉛は、新しい細胞を作るのに欠かせない材料です。脳細胞も内臓の細胞も、皮膚の細胞も新しく作られる際には亜鉛が必要です。さらに、亜鉛にはすでに蓄積した鉛や水銀の毒性を弱める働きもあります」(『脳の毒を出す食事』より)
このように、亜鉛にはたくさんの健康効果を期待できる。たとえば亜鉛は次のような働きを持ち、私たちの健康を支えているのをご存知だろうか。
・骨や筋肉を作る
・皮膚や爪を作る
・細胞内の遺伝物質を合成する
・細菌やウイルスから体を守る
・傷を修復する
・味覚や嗅覚を適正に維持する
・髪の健康を維持する など
(参考:厚生労働省eJIM)
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/12.html
亜鉛不足の状態になると、皮膚や爪の異常、免疫力の低下など不調が現れやすい。口内炎や皮膚炎、味覚障害は代表的な亜鉛不足のサインだ。
さらに亜鉛不足は、男性と女性それぞれのQOL(生活の質)を低下させる可能性がある。