小腹が空いたときの間食に人気のナッツ類。ナッツ類の多くは高い抗酸化作用を持ち、さまざまな疾患の予防効果が期待されている。さらにナッツ類は、運動を楽しむ人やダイエット中の人にもお勧めであることをご存じだろうか。書籍『ハーバード医学教授が教える 健康の正解』(サンジブ・チョプラ著、ダイヤモンド社)を参考に、ナッツの健康パワーに迫る。(文/フリーライター 鈴木 舞)
運動のパフォーマンスを上げる
ピーナッツとピーカンナッツ
まず、運動する人にお勧めしたいナッツがピーナッツとピーカンナッツだ。運動前後にはエネルギーの補給が必須であることは知られている。エネルギー不足に陥ると体を思うように動かせなかったり、体から失われる成分の補充が間に合わなくなったりしてしまうからだ。
たとえば運動中に、ふくらはぎや太もも、背中などに痙攣が発生したことはないだろうか。筋痙攣は、ストレッチ不足でいきなり体を動かした場合や運動不足の人に起こりやすい。他にも、脱水症状に陥った場合に筋痙攣が現れることもある。運動前にはストレッチやウォーミングアップを入念に行い、運動中はこまめに水分補給するのが筋痙攣予防につながる。さらにピーナッツの摂取も筋痙攣予防にお勧めだという。
「ピーナッツは約30%がタンパク質で、カリウムとビタミンB群を豊富に含むため、エクササイズ中の筋痙攣を防ぐのにとくに有効だ」(『ハーバード医学教授が教える 健康の正解』より)
というのも、筋痙攣は電解質異常によっても引き起こされるからだ。電解質異常とは、体内の水分やナトリウム、カリウムなどが不足することで発生する。水分とナトリウムは、スポーツドリンクで摂取するのがお手軽だろう。カリウムはピーナッツやバナナなどから補給できる。ピーナッツはビタミンB群を豊富に含み、糖質の代謝を助けることも、ダイエット目的でスポーツをする人にとって大きなメリットだ。
ピーナッツに比べると馴染みが薄い人もいるだろうが、ピーカンナッツの効果にも注目したい。ナッツ類の中ではカロリーと脂質が高く、摂取を避けている人もいるだろう。しかしピーカンナッツは不飽和脂肪酸を豊富に含み、動脈硬化予防や血圧降下作用が期待される食品だ。しかも不飽和脂肪酸は体内では合成できない成分のため、食品などから摂取する必要がある。