日韓問題を解決させないことが、日韓関係改善につながる

 筆者は「日韓問題を解決させないことが、日韓の関係改善につながる」と考えている。

 日本と韓国の間に「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約(日韓基本条約/1965年締結)」しかなかった頃、徴用工問題・慰安婦問題・竹島問題など、実際にはさまざまな問題があったが、それなりに良好な関係を築いていた。

 日韓慰安婦合意で韓国側の要求を聞き入れて以降、いろいろな問題が浮上して関係がこじれたのだ。これらの問題を解決しようとするから双方から不満の声が上がる。日本と韓国はつかず離れず、一定の距離を保った関係を維持することが望ましい。

 韓国人にとっての問題解決とは、日本が韓国の要求に文句を言わずに応じることだ。だが、1965年の日韓請求権協定でも、2015年の日韓慰安婦合意でも彼らは満足しなかった。

 朴槿恵元大統領が「被害者の立場、千年不変」と発言したことが日本でも話題になったが、その言葉が示す通り、大多数の韓国人は「日本は韓国に対して半永久的に補償・謝罪を繰り返さなければならない」と考える。

 このような韓国人の主張がまかり通れば、日韓間の合意など何の効力も発揮しない。締結したところで無効にされるのなら、国際法などないに等しい。それならば、これ以上の要求は聞き流すべきだ。韓国側の言い分を聞き入れることは、すなわち日本が対等な関係を放棄したことになる。