“知日派”在日大使は、日韓関係向上に貢献するか

 知日派と言われる人物であってもこの程度の認識だ。尹錫烈政権下で日韓問題を完全に解決することは、日本が再び妥協しない限り難しいだろう。

 ただ、尹徳敏氏は朴槿恵政権時の国立外交院長だった人物だから、2015年の日韓慰安婦合意を否定できず、苦し紛れに日本に責任転嫁をして、韓国民からの批判を避けた可能性はある。就任前から国民に批判されていては、駐日大使の就任が危うくなるからだ。

 彼の腹の内は彼本人にしか分からないが、それでも大使就任前からこのような発言をしているようでは、日本に良い影響をもたらす人物でないと思われる。

 そういえば、知日派の駐日大使といわれていた人物の中に、現大使の姜昌一(カン・チャンイル)氏という人がいた。彼は2021年5月、正式に駐日大使に就任したが、韓国国会議員だった時の反日言動が影響して、就任から1年がたった今でも、日本の首相どころか外相にすら面会できていない。駐日大使史上、最も日韓関係向上に貢献しなかった大使と言えるだろう。

 新たに駐日大使に就任予定の尹徳敏氏は、少なくとも姜昌一氏より日韓関係に寄与できるはずだ。なぜなら、岸田首相や林外相は関係改善に前向きで、韓国側の要人と面会することに拒否感を示さないからだ。