サービスを停止せずにクレジットカードを
退会するとどうなるのか

 注意したいのは退会後だ。債務ありの状態で退会すると、その債務の請求が後日届くことになる。クレジットカードは決済と請求までタイムラグがあるため、単発の決済であっても翌々月支払いということも普通にあるし、定額制サービスの契約が継続している場合は数カ月先まで請求が届くということも起きてしまう。

「基本的にはカード解約後にカード支払いをご利用いただけませんが、サブスク等については、ご利用先に契約解除の連絡をしていただくまで利用が継続する場合がございます」(セゾンカード)

 クレジットカードを退会しても、退会前にした買い物や契約には影響を及ぼさない。「各種サービス料金の支払契約は、あくまでお客様とサービス提供業者間で取り交わされたものです。第三者である弊社はその契約関係には入り込むことはできかねます」という三井住友カードの回答が端的だ。

 この原則に従えば、遺品整理時に気付かれなかった定額制サービスの支払いはその後も延々と続くことになる。しかし、何年も請求が続いて困ったという声は聞かない。今回得た回答でも、数カ月先までの請求が続くというタイムスケールで言及する企業が大半だった。年額支払いの請求が絡んで、せいぜい2年弱だ。

 どうやら、現実としては半永久的に請求が続くというわけでもないらしい。

 あるカード会社は「退会後に定額制の請求が続く場合は、債権を回収管理する部門があり、そこから退会したお客様やご遺族に契約解除や支払い方法の変更を促しています。それと同時に、水面下では定額制の提供元にも停止をお願いすることもありますが、応じてくれるか否かはまちまちです」と明かす。

 つまるところ、支払いが滞った後のスタンスは定額制サービスがどう動くかにかかっているといえる。