銀行の原則は
「口座を凍結したら振替も停止」

 間に挟まった自動引き落とし先では、何が起こっているのか。主要な銀行とクレジットカード会社に実情を尋ねてみた。

 まず銀行はメガバンクとネット銀行を含めた全国規模の8行に情報提供をお願いし、5行から回答を得た。

 口座の持ち主の死亡が遺族等によって知らされると、銀行は口座を凍結する。口座振替のある口座はその後どうなるのか。回答を得た銀行ではいずれも「停止する」との回答だった。

「預金者死亡の連絡を受けた場合、債権の有無に関わらず、ご預金等のお引き出し、ご入金についてはお取扱いができなくなり、口座振替も停止となります」(みずほ銀行)

 出金が続く可能性があるとすれば、相続人から口座振替の継続の希望を受けたシチュエーションだが、それも例外的な処理といえる。三菱UFJ銀行は「事前に特定の明細について、従来通り被相続人の口座からの引き落としを希望する依頼書を相続人全員の署名の上受入れしている場合、その明細のみ支払いを許容する手続きもございます」という。

 ただ、これは銀行側の都合だ。定額制サービスを提供する運営元は契約者の生死を確認できないし、銀行から伝える義務もない。実際、凍結後に請求が届くことも珍しくないという。

 それでも、「生前お支払いに当社のデビットカードを登録されており、相続開始後に請求が到着した場合、故人口座には請求できないため、当社では原則として当該請求を加盟店(請求元)に返却する対応を行います」(ソニー銀行)といったスタンスが一般的といえる。