パートナーを突然亡くすと遺された家族に「死後のさまざまな手続き」が押し寄せる。何から手を付ける?どこに何の書類を申請する?あたふたしているうちにあっという間にやって来る手続きの期限。特集『死後の手続き お金の準備』(全16回)の#5では、とにかくまずやるべき死後の手続き厳選10項目をお伝えする。(ダイヤモンド編集部 羽富宏文)
こんなに多い!死後の手続き
とにかくまずやる死亡届は7日以内
「海を望む地にお墓を構えたのは、17年間を共にした妻への感謝のつもりです」――。
神奈川県内に住む田中敏夫さん(52歳・仮名)は今夏、最愛の妻(享年47)の一周忌法要を済ませた。
田中さんは自宅で妻をみとった。しかし妻の死を悲しむ余裕はなかった。会社員としてのフルタイム勤務の傍ら、死後の手続き、葬儀の準備に忙殺されたという。
「木曜日の夜に亡くなり、翌々日の土曜がお通夜。妻宛ての年賀状を過去20年分ほど一枚一枚確認しながら連絡すべき方々を把握しました。大変骨の折れる作業でした」
身近な人を亡くした後、何をいつまでにどうやればよいのか。あたふたしているうちにあっという間に手続きの期限がやって来る。
まずは「死亡届」を市区町村の役所に7日以内に提出しなくてはいけない。死亡届と一枚つづりになっている大切な書類が「死亡診断書」だ。
死亡診断書は病院の医師や在宅医に書いてもらう。ここで注意が必要なのは、死亡診断書は1通しかもらえないことだ。死亡届・死亡診断書がないと、そもそも斎場で火葬をしてもらえない。
さらに注意が必要なのは、自宅で突然亡くなった場合だ。その場合は消防や警察に通報が必要となる。死因を調べるため、遺体はいったん、最寄りの警察署に安置され、警察から要請された医師が死亡診断書を書き、発行される流れとなる。
具体的には保険金の受け取りで、死亡診断書は必要となる。役所でも写しを取ることは可能だが、犯罪防止の観点から目的・用途を詳しく尋ねられる。
死亡診断書は提出して1カ月が経過すると管轄の法務局に移されてしまうので、コピーを取っていないと、法務局にわざわざ出向かないといけない。複数の口座、保険会社との取引があった場合に備えて、多めにコピーしておけば安心だ。
死亡届の他にも必要な手続きの期限は次々と迫って来る。どこから手を付けていけばいいのか。