浦部さん「バタバタして詳しく説明できてなくてすみません。102号室の人物は私のバーの従業員で、お金を持ち逃げしたんです。店内の防犯カメラにも犯行の状況は写っていたので間違いありません。会社として大事に育てたかった男だったので、どうしても直接事情を聞きたくて、あんな行動をとってしまいました。パトカーで連行されましたが、102号室は会社の寮として借りている部屋であることや、これまでの経緯をついさっきまで説明していました」

 その後、調査を継続して約4時間後に102号室から男性が出てきました。その男性の写真を浦部さんに送信したところ、従業員で間違いないとのことでした。尾行中に浦部さんが合流して、従業員と話し合いの場を持つということで調査は終了しました。

繰り返される依頼
人生に問題が多発しすぎる依頼者

 それから数カ月ごとに浦部さんからは相談の電話があり、その度に調査をしました。

 別の従業員がお金を持ち逃げしてしまったり、自宅の防犯カメラに見知らぬ男性が何度も来ているようすが写っているので何者か調べてほしい、投資詐欺に遭ったので詐欺師を探してほしいといった案件や、実家の家族に嫌がらせをしている人物を特定してほしいなどなど。他にもありますが、ナイーブな内容なので紹介は差し控えます。

「人生に問題が多発しすぎる依頼者」からの「異種複数の調査依頼&解決する探偵」。点と点が線になる探偵トークでした。

※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため個人名は全て仮名とし、一部を脚色しています。