日本史の偉人たちを「すごい」と「やばい」の2つの視点から紹介する書籍、『東大教授がおしえる やばい日本史』が話題になっている。
当初は児童書として発刊された本書だが、なんと読者の半数は大人。意外と知らない日本史の真実がウケて、18万部突破のヒットとなった。(初出:2018年12月17日)
「卑弥呼」のここが“すごい”!
日本ではじめて王になった
1800年ほど前、日本は30ほどの小さな国にわかれていました。そのなかのひとつが、邪馬台国です。もともと日本には男性の王がいましたが、王座をめぐる戦争が70年以上も続いていました。
その戦争をピタリと終わらせたのが、邪馬台国の卑弥呼です。はじめての女性の王として卑弥呼が即位したところ、みんなが納得して平和な国になったといいます。
一説によれば、卑弥呼は占いの力を使って人々を従わせていたそうですが、案外シンプルにケンカが強かっただけかもしれません。卑弥呼が何らかのすごい力をもっていたことは確かです。
でも、卑弥呼の本当のすごさは、外国の力を利用したこと。
239年、当時日本とは比べものにならないくらい発展していた大国・魏(いまの中国)に使者とみつぎ物を送り、魏の王様に「卑弥呼こそが日本の王だ」と認めさせたのです。このお墨付きによって、卑弥呼は邪馬台国だけでなく、ほかの国々もまとめあげることに成功! はじめての「日本の女王」として君臨します。
これを学校にたとえると、クラスのみんなが学級委員の座をねらってケンカをしているなか、ぬけがけして教育委員会にワイロを送り、一気に校長先生になったようなもの。どうやら卑弥呼は、なかなか頭脳派だったようですね。