「年収200万円の豊かさ」とは?裕福な家庭育ちの“低収入”アラフォーが考えた写真はイメージです Photo:PIXTA

最近にわかに話題となった「年収200万円」というキーワード。ある書籍が話題になったことがきっかけだが、これを発端に「豊か」とは何かという根源的な問いにまで発展しそうだ。(フリーライター 武藤弘樹) 

ちまたで話題の『年収200万円』本
実現可能か不可能か

『年収200万円で豊かに暮らす』(宝島社)というムック本が出版され、これを取り上げたツイッターが拡散し、物議を醸している。「それはいくらなんでも無理だろう」という声に加え、日本経済の行く末を憂う声が多数聞かれた。また、少数ながら「まあ可能でしょ」「できる人もいるだろうからいいんじゃない?」などの声もある。
 
 筆者は長年の都会暮らしを捨て、生活コストの安い場所を求めて首都圏近郊の地方に移り住んだ。夫婦と子1人猫1匹の生活であり、年収は200万円とは言わないが低い方である。が、それなりに満足した暮らしができている。
 
 一方、我が父は福岡からベース1本担いで上京して、時代もあったろうが白金台に家を建てたくらいだから、かなり稼ぎがよかった。つまり筆者は低収入の世帯と高収入の世帯、そのどちらでも生活をした経験がある。
 
 この経験をもとに、「本当に200万円で豊かに暮らせるのか」という疑問や、この騒動がなぜここまで盛り上がっているのかについても考えてみたい。