親の工夫次第で子どもにとって好ましい環境を整えられる

親が「これ」をするだけで、子どもの学力は上がる!『親が「これ」をするだけで、子どもの学力は上がる!』 榎本博明著 幻冬舎刊 990円(税込)

 親の社会経済的地位や学歴は、家庭の蔵書数(家にある本の冊数)にも影響するでしょうし、知的好奇心を刺激する文化的施設に子どもを連れて行くかどうかにも影響するでしょうし、読書や勉強に対する親の取り組み姿勢を自然に真似るという形でも影響するでしょう。

 それらは、まさに家庭環境という意味での環境要因と言えます。世代間伝達というと、遺伝の力を思い浮かべて、どうにもできないことのように思いがちですが、このような環境要因に目を向ければ、やりようによっては子どもの言語能力の向上をいくらでも促すことができると分かり、工夫や努力の方向性も見えてくるでしょう。

 たとえ親自身の社会経済的地位や学歴にハンディがあっても、そこをうまく補って、子どもにとっての好ましい環境要因を整えていくことができるはずです。