誰にでも使える、役に立つ“プレゼンテクニック”
研修プログラムのPart2「相手を動かすトークテクニック」における研修動画の視聴も最後の1本となった。
この研修動画で紹介された1つ目のトークテクニックは、「Factと意見:Opinionの組み合わせ」だ。「この事実(Fact)があるから、こう推測される(Opinion)」というように、美しいプレゼンテーションは、この2つが必ずペアになっているという。西脇さんは、「Factがないプレゼンテーションが多い」と解説。言われてみれば、私もどちらかひとつしか使わずに話をしていることが多い。今後は意識して2つを併せて使うようにしたいと思った。
2つ目のテクニックは、「言葉遣いのマジック(引用と比較、相対時間、言葉の修飾、語尾活用法)」。特にキーポイントとなるのが、「引用と比較」だ。「皆さんと同じように私も……」など、参加者全員を引用しつつ、自分の話をする――これもプレゼンテーションのうまい人が常に行っていることだという。
テクニック3つ目の「話の流れを決めるブリッジ/接続詞の重要性」は、スライドとスライドに「橋をかける」というもの。スライドを表示して読んでいるだけにならないよう、ここでも接続詞を使うと全体の流れがスムーズになり、相手が引き込まれていくことが理解できた。
今回の研修では行われなかったが、この3本の動画視聴後にも個人&グループワークがそれぞれ行われ、研修の学習目標である「『トーク』テクニックを実践できる」がクリアできるかたちだ。
そして、研修全体の締めくくりは「総合演習」――これまでに学んだ「スライド」「シナリオ」「トーク」のすべてのテクニックを総動員して、受講者が自分の会社の紹介を行うというものだった。その後のチャットでは、プレゼンにおける自分自身の「強み」を投稿。研修を終えて、自分の「武器」を客観的に知ることができるようになったことも大きな成果だろう。
研修を終えた後の取材で、ファシリテーターを務めた石丸さんは、次のように語ってくれた。
「登壇するまでは『(ファシリテーター役を)うまくやらなくては』というプレッシャーがありましたが、いざ研修が始まってみると、学習内容が動画とスライドですべてまとまっているため、私は受講者の皆さんの学びをガイドする伴走者のような気持ちになりました」
石丸さんの言葉どおり、西脇さんによる研修動画とスライド資料が分かりやすくパッケージされ、進行台本なども提供されるため、研修を行う企業の人事担当者などがファシリテーターを担うことは可能だろう。
研修動画の中で、西脇さんは「人生はプレゼンテーションの連続。少しずつ繰り返しながら、焦ることなく、まずはこのテクニックを楽しんで使ってください」と、受講者に向けて応援メッセージを送ってくれた。
プレゼンテーションをはじめとしたビジネスシーンのみならず、あらゆるコミュニケーションの場で活用できる情報発信のテクニック――学んだことを忘れずに、私もしっかり実践していきたいと思う。