大手商社「丸紅」が中東での医薬品・医療機器販売事業に参画する。アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの「ルナタス」と資本提携し、UAEはもちろん、サウジアラビア、カタール、クウェートなどの中東諸国に日本の医薬品、医療機器、さらにヘルスケア商品を売り込もうという計画だ。
中東、アラブ地域といえば、日本の医薬品メーカーや医療機器メーカーにとって縁遠い地域。かつて合併前の旧三共(現第一三共)と旧山之内製薬(現アステラス製薬)が共同でサウジアラビアの医薬品メーカーと合弁会社を設立したことがあるが、それは30年近く前。現在は両社内でもほとんど忘れられた話になっている。
それどころか、2017年にサウジアラビアのサルマン国王が1500人もの財界人を引き連れて日本を訪問。財界人たちは翌日には中国に行ってしまったが、46年ぶりの国王訪日に当時の安倍晋三首相が感激。「日本・サウジビジョン2030」を打ち上げ、経済産業省、さらにジェトロを動員し、サウジと湾岸諸国の魅力を満載したレポートを発表した、だが、有り体に言えば、誰も踊らなかった……。
そんななかで丸紅が中東諸国へ狙いを定めたのだ。商社ならではの意欲だ。早速、同社の意気込みを聞く。