コンビニへの1日当たりの
配送車を3分の1に減少
ファミリーマートに出資してから、伊藤忠が変えたのは各店舗への配送システムだった。
ファミリーマートのある社員は、伊藤忠にいた頃からコンビニビジネスに関わっている。彼は店舗への配送車を減らすことに心を砕いた。
「それまで伊藤忠は川上と川中を一生懸命やってきましたけど、これじゃいけないと川下に足を踏み込んでいった最初の取り組みがファミリーマートです。
伊藤忠には時代の流れを感じる感覚がある。それで、取り組んだのが効率的に店を回すことでした。それまでは各店舗に1日当たり約30台の配送トラックが来ていたのを減らしたのです。
まず、店舗へ直接、納品するメーカーがありました。次に、いくつかのメーカーは西友の商品センターに運び、そこで積み替えて西友のトラックで運んでいました。
加えて、牛乳、卵といったものはそれぞれ別のメーカーが運んできますし、新聞、雑誌を運んでくるトラックもありました。
各メーカーがバラバラに納品してきたので、毎日、20台近い配送車が来ていたわけです。店とすれば、トラックが到着するたびに人が出ていって品物を受け取り、それを店内に運び込んで、バックヤードの棚に並べなくてはなりません。
こうした作業を1日に20回もやるわけですから、お客さまも買い物に集中できないし、従業員も品出しばかりになってしまう。これは何とかしなければならないと思ったのです」