シンガポール在住日本人の生活を変えた

 現地に長く住む日本人にも好評だ。ある専門職の男性は「(ドンキは)在シンガポール日本人の生活を変えましたよ」と話す。

 売っている商品が店舗によって違うため、シンガポール中心部に位置する自宅の近くにある3店舗を「これを買うならこの店、あれならこの店」と通うのだそうだ。「これだけ密集しているところは日本にはない」とも。確かに計算してみると、シンガポールではすでに約45万人当たり1店舗と、25万人当たり1店舗の東京23区と遜色ない密集度となっている。

日本のスーパーやデパ地下のように、パックの寿司も購入できる日本のスーパーやデパ地下のように、パックの寿司も購入できる Photo by T.M.

 左党のこの男性は、ドンキで買った刺し身をお酒のつまみにするようになった。「最近では、本わさびまで売るようになったんですよ」と興奮気味に話す。

 これには隔世の感があった。筆者は2014年~2016年、いわば「ドンキ前」にシンガポールに住んでいたのだが、当時は刺し身を出すようなまともな日本食レストランに行くと100シンガポールドル(約1万円)は下らないというイメージがあった。日系のラーメン店やカレー店に行っても軽く20シンガポールドル(約2000円)近くするのだ。