日本銀行全政策委員の2023年度物価見通しの
最大値1.7%と中央値1.4%の乖離幅(物価は消費者物価指数〈生鮮食品を除く総合〉。対前年度比)出所:日本銀行「展望レポート」(2022年7月)

日本銀行全政策委員の2023年度物価見通しの
最大値1.7%と中央値1.4%の乖離幅
(物価は消費者物価指数〈生鮮食品を除く総合〉。対前年度比)

 世界でインフレ率が高まる中、日本でもそれが目標の2%を超え、政策変更を巡る議論が盛んになってきた。日本銀行は金融政策について、「情勢変化に対して、躊躇なく、機動的かつ効果的に対応することが重要」としているが、今日、政策運営が非常に硬直的になっている。それに加え気になるのが、政策委員会の物価見通しの幅の狭さだ。政策委員の来年度物価見通しの最大値と中央値の乖離幅を見ると、0.3%しかない。政策運営が硬直的な上に物価見通しも多様性に欠けていると、物価見通しと政策の変更が突然非連続的に行われるということになりかねない。