安倍元首相アベノミクスの柱、異次元緩和は「財政ファイナンス」などの問題で「日本銀行の独立性」を侵したとの批判がある。果たしてそうなのか Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

「財政ファイナンス」批判は
的を射たものか

 故・安倍晋三元首相が推し進めた「アベノミクス」のうち、黒田東彦日本銀行総裁の下で始まった国債買い入れを柱とする異次元緩和(量的質的緩和)については、「財政ファイナンス」だとして批判する声が多かった。

「財政ファイナンス」の定義ははっきりしないが、一般的には、中央銀行が国債を買い取ること(「市中消化」の場合も含むようだ)を指すらしい。

 この財政ファイナンスを批判する人々は、「中央銀行の独立性」との関係を懸念しているようだ。

 銃撃事件で亡くなる少し前も、安倍元首相が講演で「日銀は、政府の子会社」と述べたと報じられると、問題発言だと物議を醸すということがあった。

「中央銀行の独立性」というのは何を意味するのか。