「実家貸し」という裏技もある

 以上のように、わざわざ高額な不動産を買わなくても始められる点が、「自宅賃し」の最大の魅力です。自宅の一室を民泊として活用する方法もありますが、「自宅貸し」のほうが手間暇がかからないので、面倒くさがり屋さんにはうってつけです。

 高額な不動産を買わずに始められる大家業としては、「自宅貸し」の他に、「実家貸し」という裏技もあります。

 年老いた親が遠くに離れて住んでいると、何かと不安です。年をとると、家のメンテナンスも思うようにはできなくなって、家の劣化も急速に進んでしまいます。

 そこで、親を呼び寄せるか、施設に入居してもらって、まずは親の安全を確保します。そのうえで、実家を再生して賃貸に出すのです。そうすれば、その家賃収入を使って親孝行ができますし、施設への入居費を捻出することだってできるのです。社会問題化している空き家問題も解決できるので、一石二鳥でしょう。

大家業のハードルは、高くない

 いかがでしょうか。意外と簡単だとは思いませんか。それなのに、大家業はハードルが高いと誤解している人が多いような気がします。たぶん、アパート経営のことを大家業だと思い込んでいる人が多いからなのでしょう。アパート経営は確かにハードルが高いので、物件の斡旋や業者の紹介などの利益相反行為がないセミナーにて、しっかりと勉強するのが王道です。

 でも、戸建て賃貸のレベルなら、一気にハードルが低くなります。中でも「自宅貸し」「実家貸し」であれば、不動産を買わずに始められるのです。もちろんハードルはありますが、跳びこえるほどの高さではないので、ヒョイとまたげばよいだけです。

 あらためて、自宅や実家を眺めてみてください。おそらくあなたの足許にも、「稼げる不動産」が眠っているはずです。何年も眠っていたのですから、そろそろ叩き起こして、働かせてみてはいかがでしょうか。

*本記事は、『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』著者による書き下ろしです。