戸建てを4棟賃貸しても、副業にはならない
もう1つ気になるのが副業禁止規定との兼ね合いです。公務員は法律で副業が禁止されていますし、会社員は就業規則で副業が禁止されているからです。
でも、その心配は杞憂にすぎません。なぜなら、事業的規模に満たない大家業は、副業には当たらないからです。事業的規模とは、戸建て5棟以上・アパートやマンション10室以上、もしくは年収500万円以上の規模のことをいいます。事業的規模でなければ、副業に対して一番厳しい公務員であっても営利目的の自営(副業)とはみなされません(人事院規則14-8、「5棟10室基準」)。だから、副業禁止のサラリーマンであっても、安心して大家業を始められるのです。
将来的に大家業が順調に拡大して事業的規模になって初めて、正真正銘の副業となります。もちろん、それでも心配はありません。副業禁止とは無関係な身内の力を借りる「妻社長メソッド」を使えば、副業を続けられるからです。「妻社長メソッド」では、プライベートカンパニーをフル活用できるので、節税の威力も倍増します。特に大家業については、早い段階でプライベートカンパニーを活用することが、成功への近道となります。
会社にバレない方法
このように、小さな大家業であれば、副業禁止規定には違反しません。とはいえ、勤め先との間では、波風を立てないのが賢明です。
勤め先に副収入がバレるのは、儲けを確定申告して住民税が増えるケースが大半です。確定申告は地方自治体にも送られて、その翌年には住民税に反映されます。そして自治体は、増えた住民税の源泉徴収を勤め先に依頼するので、それが原因で勤め先に副収入の存在がバレてしまうのです。
そこで、万が一利益が出た場合には、確定申告の際に、確定申告書の第二表の最下段「住民税・事業税に関する事項」の「住民税の徴収方法の選択」欄にて、自分で納付(普通徴収)を選択して自分で納税してください。
一番厄介なのが、赤字の場合です。大家業の場合には、不動産所得が△○万円赤字という通知が、勤め先に届くからです。これにより勤め先は、あなたが大家業を始めたことを知ります。同時に勤め先は、その赤字と給料の黒字とを相殺(損益通算)して、翌年の住民税の金額を減らして源泉徴収しなければならなくなります。
でも、「自宅貸し」レベルでしたら、ほとんどの場合は大丈夫です。一般的な不動産投資と違って、初年度に多額の赤字が発生する事態にはならないからです。もし赤字になりそうになったら、会議費や交際費などを節約して、上手に帳尻あわせをしてください。
とはいえ、大家業が大きくなってくると、このような帳尻合わせはできなくなります。そこで、その場合には、妻社長メソッドを活用してください。
なお、正々堂々と副業できる職場の場合には、赤字のほうが節税になるので、大手を振って赤字の確定申告を行ってください。