ロシアが西側諸国に対して
強気になった理由
7月27日、ロシアがドイツ向けの天然ガスパイプラインである「ノルドストリーム」のガス流量を40%から20%に半減させると発表した。
これまでエネルギーをロシアの天然ガスに大きく依存してきたドイツは、厳しい冬に向けたガス在庫を確保できない可能性が出てきており、深刻な事態が想定されている。さらに、この発表を受けて、ヨーロッパの天然ガス価格が8%以上も急騰して1メガワット220ユーロ(約3万円)に達している。
7月22日、トルコの仲介でロシアとウクライナ間でウクライナ港湾からの穀物輸出の再開に合意したが、ロシアはその翌日、西側の思惑をあざ笑うかのごとくオデッサをミサイル攻撃している。みずからのウクライナ侵攻によって起こっている世界的な食料価格の高騰を止める気が、ロシア側にはないことが露呈した格好だ。