役員会議室写真はイメージです Photo:PIXTA

上場3870社の2021年度決算(2021年4月期~2022年3月期)の有価証券報告書が7月31日までに提出された。この中で開示された役員報酬額1億円以上は432社、人数は926人だった。前年度より社数は50社、人数は165人増え、開示制度が始まった2010年度以降の最多を更新した。これまで浸透していた業績重視の原則が崩れ、新たな報酬ルールの流れが鮮明になった。(東京商工リサーチ情報部 坂田芳博)

役員報酬トップは約43億円
上位10人の顔ぶれは

 今年5月、ある政治家の「上場企業の社長は、報酬を必ず1億円もらう」趣旨の発言が話題になったが、現実はそう甘くない。企業は上場、未上場を問わずコーポレートガバナンス(企業統治)が重視され、役員報酬の決め方や報酬額の妥当性を問われている。従業員や株主、金融機関などのステークホルダー(利害関係者)への説明責任が重みを増している。