新興国が保有するドルなどの外貨準備が十数年ぶりのペースで減少し、世界有数の脆弱(ぜいじゃく)な国々にデフォルト(債務不履行)の波が広がる恐れが高まっている。国際通貨基金(IMF)のデータによると、新興・開発途上国の外貨準備高は今年1~6月に3790億ドル(約52兆円)減少した。JPモルガン・チェースによれば、為替変動の影響や中国と湾岸産油国が保有する多額の外貨準備を除くと、新興国の外貨準備高は2008年以降で最大の落ち込みとなっている。世界各国の中央銀行は、ドル高から自国通貨を守ったり、上昇している食料品や燃料の輸入代金を賄ったりするために、外貨準備を利用している。中国やインド、ブラジルといった新興大国は外貨準備を大きく積み上げているためこの嵐を難なく乗り切れそうだが、他の新興国は外貨準備が底を突きかけている。
新興国の外貨準備が急減、高まる危機リスク
2008年以降で最大の落ち込み、デフォルトの波が広がる恐れも
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