【必読ポイント!】
◆ヘルプシーキングを上手に実践する方法:企画はひとりで考えない
◇着手前+なるべく早い段階で共有する

 仕事は、大きく分けて「定型化されたルーティン業務」と「考えながら進める企画系業務」の2つに分類される。前者はメール返信や月次の定例業務など、安定的に進めて完了できる事務的な仕事だ。

 後者は、企画提案やプロジェクト進行などの「考える仕事」が該当する。「考える仕事」は答えがない上に成果物が見えづらく、所要時間が見積もりにくい。複数の関係者の合意が必要だったり、顧客の評価によって結果が変わったりすることもある。

「考える仕事」こそ、ひとりで進めてはいけない。ひとりで時間をかけて考えた後、修正などでさらに時間が取られてしまってはもったいないからだ。「考える仕事」のヘルプシーキングのポイントは、「着手前+なるべく早い段階で共有すること」だ。

◇まず30分だけ考える

「考える仕事」の初期段階では、まず30分だけ、考える時間をとろう。この30分でやることは、引き受けた仕事の要件整理だ。ヒアリングした内容を整理して、企画を立てる前に「そもそも今回はどんな課題や要望に対して、何を提案することが期待されているのか」を30分で書き出す。すると、企画を考える前に「何を考えるべきか」が明確になるだろう。メンバーや上司がいれば、この段階で認識や方向性にギャップがないか確認しよう。

◇企画は「3割完成」で共有する

 一発で完璧な企画を出そうとするのもNGだ。アウトプットは、3割ほど完成したタイミングで共有することが望ましい。そうすれば、成果物のズレに早く気づけるからだ。企画書であれば、前述の要件の整理に加え、「企画書の構成(主な記載事項)」をメンバーとすり合わせする。

◇壁打ちで気づきを得る

「考える仕事」をする際、アイデアを効果的に出す方法に「壁打ち」がある。仕事における「壁打ち」とは、誰かに自分の考えを聞いてもらうことやフィードバックをもらうことを指す。「どういう意味?」「本当にそうなの?」などと、相手から素朴な疑問を投げかけてもらい、新しい気づきを得ることが目的だ。

 もし相手がいなければ、まずはノートに書き出す「ひとり壁打ち」でもいい。「言語化」と「問いかけ」によって考えが整理され、企画がぐんと前に進むだろう。