◆上手に仲間を助ける
◇誰かを助けるときの3つのポイント

 私たちは「助けを求める側」であると同時に、「誰かを助ける側」でもある。上手に助ける人になるために、次の3つを意識しよう。

 まず、相手が「助けを求めたこと」を肯定すること。誰もが助けを求められるチームになるために、「頼ってくれてありがとう!」「一緒に考えよう!」など、相手が「助けを求めて良かった」と思える言葉をかける。

 2つ目は、「情」と「理」のバランスだ。切羽詰まった相手と一緒になって焦ったり、相手の言うままに動いてしまったりしてはいけない。相手の心情や見ている景色を理解して寄り添う「情」と、冷静に状況をつかんで判断する「理」、このバランスを意識する必要がある。

 3つ目は「仕事を代わってあげるだけが解決策ではない」と知っておくこと。緊急時には、ひとまず相手の負荷を取り除くことが必要だ。だがそれでは、中長期的にみると相手のためにならないこともある。

 問題の本質を考え、その他の可能性についても視野を広げてみよう。そして、助けを求められた人だけでなく、チームみんなで知恵を絞ること。助ける側も、ひとりで抱え込まないことが大切だ。

◇常に業務を整理しておく

 上手に助けるためには、業務整理が欠かせない。業務整理とは、業務内容やプロセスを見直し、取捨選択することをいう。業務整理をし、常に余裕がある状態にしておかなければ、誰かに手を差し伸べるのは難しくなるものだ。

 業務整理において何より大切なのは、平常時に行うことだ。助けを求めたいことが起きてからでは、目の前の問題解決が目的になってしまう。「業務整理のために手を止めることも仕事のうちだ」という認識を持ち、考える時間をスケジュールに入れよう。

 業務整理のための会議を設けるのもいいだろう。議題に「困りごと・心配ごとの共有」という項目を入れることが、「助けを求めても良い」というメッセージになる。共有された情報をもとに、最も効果的な問題解決法を話し合おう。