一読のすすめ

「人に迷惑をかけてはいけない」と言われて育ってきた私たちにとって、人に助けを求めることや弱みを見せることは、想像以上にハードルが高い。本書はその心理に寄り添いながら、強固な思い込みを丁寧にほどいていき、ヘルプシーキングによって実現できる「よりよい未来」のオプションを示している。

 本書では「育児中のスタッフから業務量を減らしたいと相談を受けた」「ヘルプシーキングをチームに取り入れようと提案したらメンバーから拒否された」など、よくある事例をもとに、具体的な対応策がシミュレートされている。情報をオープンにできているか、自己開示はできているかなど、ヘルプシーキング実践のためのチェックポイントも必読だ。

 持続可能な職業人生のために、本書をヒントに仕事のやり方をアップデートしてみてはいかがだろうか。よりハッピーに、より大きな成果を上げられるようになるはずだ。

評点(5点満点)

総合4.0点(革新性4.0点、明瞭性4.0点、応用性4.0点)

著者情報

小田木朝子(おだぎ ともこ)

 株式会社NOKIOO 取締役/経営学修士
 ウェブマーケティングの法人営業などを経て、NOKIOO創業メンバーとして参画。
 企業の人材育成・組織開発支援を担うHR事業を立ち上げ、ヘルプシーキングを含む多数の人材育成カリキュラムの開発・講師および講師育成を手掛ける。2020年、オンライン教育サービス『育休スクラ』をリリース。 経験学習とオンラインを活用したアクティブラーニングを法人・個人向けに提供。グロービス経営大学院修了。音声メディアVoicyで、毎日10分「今日のワタシに効く両立サプリ」を配信中。

▼Voicy
https://voicy.jp/channel/1240
▼note
https://note.com/odagitomoko

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