キノコで筋力アップが
進むメカニズム

 ホクトが運営しているウェブサイト「きのこラボ 」によると、キノコは運動のための体作りにも適した食材だという。

 筋肉を成長させるためには、三大栄養素であるタンパク質・脂質・糖質が必要だ。タンパク質は肉や魚、大豆製品などに多く含まれている。脂質は良質な油やナッツなど、糖質は米やパン、麺類から多く摂取することができる。

 ただし栄養バランスが悪ければ、いくら三大栄養素を摂取しても体内でうまく代謝されない。キノコはビタミンやミネラルを豊富に含み、三大栄養素の代謝をサポートする働きを持つ。ビタミンB群を特に豊富に含むキノコは、乾シイタケ、ヒラタケ、マイタケ、エノキタケなどだ。キノコからはカリウムやリンなどを摂取できるため、ミネラル補給にも丁度いい。

 さらに、キノコが含むオルニチンという栄養素にも、筋力アップを促進する効果が期待されている。オルニチンは成長ホルモンの分泌を促す作用を持ち、筋肉量減少を防ぐほか、骨密度低下や体脂肪増加を抑制する効果がある。オルニチンを豊富に含むキノコはブナシメジなどで、シジミのオルニチン含有量の5倍~7倍に当たるという。

 身近でありながら未知のポテンシャルを秘めているキノコ。健康効果が高いことはさまざまな研究結果で証明されているが、これからも新たな食用キノコや健康効果が発見されるかもしれない。キノコを上手に食卓に登場させ、ダイエットや筋力アップを楽しんでみてはいかがだろう。

【参考書籍】

『医者が教える食事術 最強の教科書』(牧田善二著、ダイヤモンド社)