ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ニカラグアってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ニカラグアってどんな国?

 ニカラグアは中米に位置し、北はホンジュラス、南はコスタリカと国境を接する国です。

 中米諸国ではしばしば大地震や火山噴火が発生します。環太平洋変動帯に位置しているからです。

 1972年ニカラグアの首都マナグア周辺で発生した地震では、死者約1万人、負傷者約2万人、被災者は30万人ともいわれる大災害が発生しました。

 人的被害で見ると阪神淡路大震災と同じ程度といえます。

「ニカラグアってどんな国?」2分で学ぶ国際社会中央アメリカ

サンディニスタ革命の勃発

 この地震に対して世界各国からさまざまな支援が行われましたが、支援物資は被災者の手に届かず、当時のソモサ大統領とその仲間たちが不正に着服したことが明らかになりました。

 これが契機となり、1979年にサンディニスタ革命が勃発。大統領は亡命し、革命組織が政権を掌握しました。

 さらに、革命政権側をソ連が支援、反革命軍をアメリカが支援し、米ソ代理戦争の場となってしまいました。

 冷戦終結後、この国では新しい国づくりが始まっています。新しい国づくりを支える産業の一つに観光業があります。

 観光の目玉の一つがレオン・ビエホ遺跡群です。アメリカ大陸で最も古いスペインの植民都市でしたが、1609年の火山噴火により放棄されました。

 1960年になって火山灰の下から発掘され、2000年に世界遺産に登録されました。地震や火山との付き合いがこの国の宿命かもしれません。

「ニカラグアってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ニカラグア共和国

面積:13.0万km2 首都:マナグア
人口:624.4万 通貨:コルドバ
言語:スペイン語(公用語)、英語、ミスキート語
宗教:カトリック50%、福音派33.2%
隣接:ホンジュラス、コスタリカ

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)