ダイヤモンド社の書籍編集局では、中途採用で書籍の編集者を募集しています。
未経験者からの応募も大歓迎です。
そこで、4つある編集部の現役編集長たちが、各部の特徴や企画に求める条件、一緒に働きたい人物像などについてホンネで語り合いました。ご興味を持たれた方は、ぜひご応募ください。
応募〆切は2022年10月28日(金)です。
詳しい募集要項はダイヤモンド社の採用情報ページおよび「マイナビ転職」をご覧ください。また、本記事以外にも、書籍編集部メンバーのインタビュー記事がお読みいただけます(記事一覧はこちら)。
4つの編集部それぞれの特徴
三浦岳(以下、三浦) では、各編集部の簡単な紹介から始めましょうか。まずは僕が所属する第1編集部ですが、総勢8人の部署になります。
書籍編集局第1編集部 編集長
大学卒業後、出版社2社を経て2014年にダイヤモンド社入社。2022年4月より現職。主な担当書籍は『Invent & Wander』『1兆ドルコーチ』『父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』『上流思考』『「静かな人」の戦略書』など。
若い部員が多く、扱っているジャンルが広いのが特徴です。ビジネス書はもちろん、マネー、健康、女性実用、児童書、翻訳書など、いろんなタイプの本を出しています。
部員全員参加の企画会議では、ばらばらな個性を持つ編集者が、自分なりの意見をとつとつと述べていくような感じで、毎回「そういう考え方があるのか」とうならされます。
また、どうつくり込むかは担当者にゆだねられているので、担当者はじっくりと他の人の意見を聞いて、いいとこ取りをして企画に反映させることができます。近年、チームからヒットが次々に出ていますが、「自分でコントロールできる感覚を持ちつつ、いろんな編集者が出したアイデアを生かせる」という方式は、成果に大きく貢献しているように思います。
横田大樹(以下、横田) 私は2019年春に第2編集部の編集長になって、3年が経ったところです。自分なりに意識しているのは、「新しいことに挑戦する編集部」でいようということ。
書籍編集局第2編集部 編集長
大学卒業後、他のビジネス系出版社を経て2011年にダイヤモンド社入社。2019年より現職。主な担当書籍は『自分のアタマで考えよう』『統計学が最強の学問である』『ゼロ秒思考』『起業のエクイティ・ファイナンス』『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』など。趣味は麻雀。
ただ、私が言うまでもなく、2人の副編集長がどんどん新しいことにチャレンジしてくれています。1000人規模のZoom上のセミナーやオンライン読書会、書籍をもとにした著者サロンの運営など、いずれも大成功しています。
そういうマネジャー陣の雰囲気もあるんでしょうが、編集部全体に、新しいことやオリジナリティを重視する空気ができてきました。企画会議も、オリジナリティがあって、編集者が本当にやりたい企画なら、全面的にバックアップしようという雰囲気でやれているはずです。
もちろん編集部には達成しなければならない売上予算があるんですが、優先しているのは何よりもメンバー全員がオリジナリティを持った企画を出し続け、楽しく働けるようにすること。そうすれば自動的に目標は達成できる、というのが実感です。
寺田庸二(以下、寺田) 僕は2020年4月に編集長になり、3年目を迎えました。編集長になった途端、緊急事態宣言が発令。書店さんが次々クローズする中、新・副編集長や、営業から異動してきた編集者1年目のメンバーとともに“新生第3丸”は船出しました(同年8月と翌年3月にそれぞれ中途入社組が加入。さらに今年3月に加入し、30歳前後の元気のいいメンバー中心に総勢10名。いつの間にか局内最大部署に)。
書籍編集局第3編集部 編集長
大学卒業後、他のビジネス系出版社を経て2005年にダイヤモンド社入社。2020年4月より現職。主な担当書籍は『哲学と宗教全史』『ザ・コピーライティング』『志麻さんのプレミアムな作りおき』『ワークマン式「しない経営」』『売上最小化、利益最大化の法則』『コピーライティング技術大全』『ふくふく開運絵馬』など。処女作27作中26作重版(最新処女作『シン・サラリーマン』)。全154作。自前企画の重版率80.7%。
編集部の大目標は元気に(Genki)、明るく(Akaruku)、楽しく(Tanoshiku)の「GAT編集部」。大モットーは「処女作×百年書籍」。
僕が最も重視しているのが、毎週水曜の企画会議です。
僕自身、編集長として未熟なため、とても勉強になるのですが、部員のみんなの意見が本当にすばらしい。人の企画でもみんなが自分事として、その本のベストの仕上がりを願い、建設的な意見を言い合う。
部員は常に、「本当にその企画に愛はあるのか」「誰がなんと言ってもやりたいのか」「なぜその著者、その企画、そのタイミングなのか」を問われます。それにより編集者自身の五臓六腑にしみわたる「腹落ち」できた企画は堅牢です。その時点で売れることが約束されたと言ってもいいでしょう。
僕は著者の処女作が大好きなので、面白い著者とフロンティア・スピリットを持って、ジャンル横断的に挑戦する部署でありたい。過去の成功法則は捨て、チャレンジ! フルスイング! と言ってますね(笑)。
メンバー構成も20代から還暦直前までバラエティに富んでいますが、ジャンルも、経営、ビジネススキル、自己啓発等のビジネス書を中心に、新機軸として、サイエンス、数学、生物学、人体などの教養書があり、投資、生活実用、翻訳、人文・教養まで実にさまざまです。
和田史子(以下、和田) 第4編集部は他編集部と異なり、編集長と副編集長以外のメンバーは、個別にプロフェッショナル契約を交わした編集者で構成されています。
書籍編集局第4編集部 編集長
大学卒業後、編集プロダクションで女性誌や情報誌の編集を経験した後、ダイヤモンド社入社。2013年に第3編集部編集長となり2020年4月より現職。主な担当書籍は『入社1年目の教科書』『雑談力が上がる話し方』『采配』『ノーサイド・ゲーム』『「ついやってしまう」体験のつくりかた』『若手育成の教科書』『池上彰 経済のことよくわからないまま社会人になった人へ』など。
皆さん前職で素晴らしい実績をあげた方たちで、マネジャー経験のある人もいます。そこから転じて改めて現場での本づくりに打ち込みたいとダイヤモンド社に集っているので、とにかくやる気がスゴイ!
年齢構成はやや高めですが、コロナ禍でオンラインでの業務が増えても、全員が積極的に学んですぐ馴染んでしまいました。そうした面も含めて、プロ意識の非常に高いメンバーがそれぞれの強みをもって仕事をしている部署です。私自身、メンバーの皆さんから教わることが多いです。
得意な書籍ジャンルもそうですが、子育て中の方や毎朝10キロのランニングや20キロのサイクリングを日課としている人など、ライフスタイルもさまざま。一人ひとりの個性を尊重しながらチームで働くメリットを最大限に活かして、「全員が輝く編集部」を目指しています。
刊行ジャンルの広がり
三浦 近年ではダイヤモンド社の刊行ジャンルはどんどん広がっていますよね。
寺田 ダイヤモンド社の場合、編集のみならず営業部や宣伝部のみんなも新ジャンルへのチャレンジを果敢に応援してくれますよね。女性実用や児童書ジャンルへの参入についてもそうでしたし、最近は当編集部のメンバーが攻めている人体、生物学、数学などのサイエンスジャンルなどもそうです。
和田 第4編集部でも美容系やダイエット、美しい文字の書き方など、いままであまりダイヤモンド社がチャレンジしたことのない本が出ています。メンバーの皆さんは「ダイヤモンド社の営業がちゃんとフォローしてくれるから、そこはすごく安心できるし、著者さんの信頼も厚い」と言っています。そういう話を聞いて私も刺激を受けて、新たに片づけ本の企画に挑戦することになりました(笑)。周りの編集者に、新たなチャレンジがどんどん伝播していく感じがありますよね。
三浦 「どうやってつくっているのか」などを気軽に聞けるところもいいですよね。風通しがいいので、とくに、いろんなことを試してみたいという若手編集者にとっては非常に魅力的な環境だと思います。最近では、『すばらしい人体』というポピュラーサイエンスの本がベストセラーになったり、『独学大全』というとんでもなく分厚い本がベストセラーになったりしましたが、そういったいろんなパターンのヒットを間近で見て、「こういうこともできるんだな」とぱっと視界が広がるようなこともよくあります。
和田 編集者って何らかのヒットを出すと、ついそのテーマや著者さんに頼りがちです。もちろんそれも大切ですが、まったく違うジャンルに飛び込む勇気を持つことも、同じくらい重要だと思います。ダイヤモンド社には、間違いなくそれをやりやすい環境がありますよね。「おもしろそうだね」と、新しいアイデアをポジティブに受け止める組織風土があります。
横田 あと、ジャンルが広がったことは、コロナ禍においてもプラスに働きましたよね。ビジネス書が最も売れる都心の書店の多くが休業したときも、郊外や地方にあるお店はある程度営業をされていたので、児童書や健康書、女性実用書などの売上が伸びました。ジャンルの多様性によってリスクを分散できるようになった、というのは出版社として非常に重要なポイントだと思います。
寺田 思えばコロナで最も大変だった2020年上期も、書籍編集局は予算をしっかりクリアしましたよね。かつてないあれだけの危機的な状況で新刊発行が延期されても、既刊書が踏ん張り、売上はまったく下がりませんでした。そして、2021年度は史上最高益。多彩なジャンルでロングセラーを生み出す努力を続けてきたことが功を奏しましたね。
さまざまな横断的コミュニケーション
寺田 編集部を横断してのコミュニケーションも活発ですよね。
横田 それで言うと、何人かのメンバーが主催している社内勉強会は、いいイベントですよね。「ベストセラーに学ぶ売れる自己啓発書のつくり方」「売れるサイエンス本のつくり方」「料理本のつくり方」「オンラインセミナーの仕掛け方」等の勉強会がありました。開催する人も参加する人も、本当に成長意欲が高い。
和田 自主的なのがいいですよね。
横田 あと、誰かが相談や質問にきたら何でも教えあう、というのが職場の文化になっています。ベテランから若手まで、みんながその文化の大切さを理解して継承している。素晴らしいことだと思いますね。
三浦 新しいことを一緒にやるというのもそうですね。書籍編集って孤独になりがちですが、ちょこちょこプロジェクトが立ち上がることがあり、周りの編集者と一緒に働けるいい機会になっています。
たとえば、「だから、この本。」という書籍オンラインのコーナーがありますが、これも部署横断的なプロジェクトです。著者の思いをダイレクトに届けることで、「この本が読まれるべき理由」を伝えていこうとする挑戦です。
寺田 編集部間だけでなく、営業や宣伝とも常にコミュニケーションが取れていて、意思決定が速い。僕はさらに心から信頼する名物書店員さんと『哲学と宗教全史』の著者講演会を開催しつつ、書籍オンラインにも登場していただきました。そういったシームレスな連携で、書籍オンラインを活用しながらジェットストリームアタックを仕掛けていくのは実に面白い。お酒を飲んで書店員さんと盛り上がったりできるのも編集者ならではの楽しみですし(笑)。
三浦 寺田さんならではのお祭り的な働き方ですね(笑)。
寺田 これからは、僕だけでなく編集部全体に広げていきたいなあと。書籍オンラインを積極的に活用するメンバーがすごく増えて成果を挙げているので、どんどん書店員さんを巻き込んで、顔の見える編集者が増えるといいなと思っています。
企画のオリジナリティに対する厳しさ
横田 ここまで楽しい話ばかりでしたが、うちの厳しいところも話しておきましょうか。私としては、やはり企画にオリジナリティが「強く」求められる点でしょうか。オリジナルな本や企画を出し続ける、勇気、気概、覚悟といったものが求められると思います。
和田 企画の自己再生産みたいなことには厳しいですよね。たとえば、似たようなジャンルで、似たような著者の企画ばかり出していると、では著者の前著とどう違うのか、どう棲み分けしていくのかと突っ込んで聞かれます。
寺田 さらに言えば、処女作大歓迎なので、過去の成功体験を続けたい人にはつらいと思います。逆に、どんどん自分のジャンルを広げたい、新たな著者やクリエイターを開拓したい人にはパラダイスでしょうね。
三浦 企画段階でできるだけ内容を詰めるのも特徴だと思います。上流で最終形をしっかりイメージすることでコンセプトがぶれにくくなるので、それがヒット率を高めている要因の一つになっているように思います。
編集者のプレースタイルと刊行点数
寺田 ダイヤモンド社の場合、編集者の評価は過去6年分の担当書の「今年度の売上」が基本になっています。単品ごとの収支をしっかり見る文化がある一方、刊行点数のノルマはありません。目先の点数に追われず、ロングセラー志向でつくり込める時間があるのはありがたいですよね。
和田 穴埋め的に点数を出して目先の売上を立てるのがゴールじゃない、というのは共通認識としてありますね。一方で、プレースタイルは人によって異なるので、一定ペースで本を出し続ける人もいます。どんなスタイルを選ぶかも個々人の選択にゆだねられていますし、管理職がサポートできることがあれば全力で行っています。
横田 刊行点数については、私個人は全然こだわりがなくて、半年くらい本を出さないこともあります。点数を追うことに意味がないとは言わないけれど、形式的に追うのは無意味なので。一方、編集長としてはちょっと悩ましい。本当に1年に1冊も出さない人が出てきたらどうしようと(笑)。いまはそういう人がいないので、点数については部内でもほとんど言っていませんが。
三浦 目標である売上金額を達成するために必要な点数は人によって異なります。また、編集に長い時間のかかる企画が出てくることもあります。であれば、今期は新刊はほとんど出せないけれど、その分既刊を売り伸ばして目標を達成するという作戦もあり得る。はっきり言えるのは、個々のスタイルについても多様性を認め尊重しているということです。一律でルールをつくって、刊行点数ノルマを課すといったことはしていません。
和田 そうした多様性が担保できる背景には、数字がオープンになっていることもあるんじゃないでしょうか。書籍編集局では、全編集者に担当書の売上データと単品管理データが公開されています。公平に判断できる材料(数字)があるからこそ、自分のプレースタイルについても冷静に判断できるのだと思います。
こんな人に来てほしい!
三浦 じゃあ最後に、こんな人に来てほしいということを順番に話していきましょう。
僕はシンプルですが、「明るい人」に来てほしいですね。自分の企画を形にして全国津々浦々の書店で売っていただいて、いろんな読者に届けられるというのは本当に面白い仕事なので、大変ではあっても、なんだかんだで心の底では楽しめるような人がいいなと。
横田 私はやっぱり、「編集者として成功したい」という野心や、「こういう編集者になりたい」という明確な目標がある人に来てもらいたいです。経験からくる持論なんですが、編集者として10年単位で成功する人というのは、「絶対に編集者になりたい」という気持ちが強かった人。他の能力や技術はあとからいくらでもついてきます。野心や目標がある人にとっては、ダイヤモンド社は一番いい会社だと確信しています。
寺田 僕は知的体力があり、好奇心旺盛な自律した編集者に来てほしいですね。さらに、これまで見たことがない著者を世界中に求める狩人、野人がほしい! 既存のセオリーをどんどんぶち壊しながら弁証法的・アウフヘーベン的共感力を併せ持った“新創造系イノベーター”なら最高ですね。あと、当編集部は圧倒的な「斬新性」×「面白さ」×「再現性」を重視しています。その面でも、エビデンスベースの本やサイエンスジャンルを攻めているので、人文系の歴史、哲学、自然科学系の数学などの普遍的な教養書をつくれる人にもきてほしい。そして、とことん売れ続ける自己啓発書のプロ編集者とも出会いたい!(笑)
そして10万部、100万部、300万部のベストセラーを狙いながら、2000円、3000円以上の高価格の「百年書籍」もつくれる“二刀流編集者”を絶賛募集中です。
常にプレーする風景を変えながら自らを磨き上げ、みんなで成長するチームが理想です。絶対にベストセラーをつくる! 重厚感のある高価格ロングセラーをつくる! といった気概のある方はぴったりフィットするでしょう。そして何よりも、生き方がきれい、透明、清々しい、日々感謝できる人。そんな人が理想ですね。
和田 なにより本が好きな人に来てほしいですね。そして編集という仕事に対して貪欲な人。仲間と成長したい人。キャリアや年齢に関係なく、まだまだ編集者として進化したい人に来ていただけたらうれしいです。紙の本もですけど、新たな媒体、ウェブやイベントなど、広義の「コンテンツ編集」にチャレンジしてみたい人ですかね。つくって終わりじゃなくて、届けるところまで、いろんな形で一生懸命やってみたいっていう人に来ていただけたらと思います。
(終わり)
※具体的な募集要項はダイヤモンド社の採用情報ページをご覧ください。また「マイナビ転職」にも詳しい情報が掲載されています。
※本記事以外にも、書籍編集部メンバーのインタビュー記事がお読みいただけます(記事一覧はこちら)。現場で働く編集者たちが、職場の雰囲気や仕事内容をオープンに語っています!