警備事業のトスネットが
再びトップに

 今回、平均年収の低さで1位となったのは、本社が宮城県仙台市の警備事業会社トスネット(サービス)で267.8万円だった。前回のランキングでも1位だったが、年収は昨年の226.1万円から18.4%上昇した。従業員数は152人、平均年齢は42.1歳となっている。

 2位は東京都台東区に本社がある中華料理レストラン「東天紅」をチェーン展開している東天紅。前回は8位で304.9万円だったが、今回は296.4万円となった。

 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が断続的に繰り返される中、休業や時短営業が影響。2020年2月期以降、3期連続の最終赤字が続いている。

 3位は液晶用のガラス基板などの加工を手掛けている倉元製作所で299.9万円。同社も前回の304.3万円(7位)から200万円台に下がった。

 2014年12月期から赤字が続き、18年12月期に債務超過に陥った。19年12月には私的整理の一種である事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)の利用を申請し、受理された。経営再建中の20年4月にトップが代わり、中国出身の時慧氏が社長に就いた。

 20年12月期は、債務免除益の計上により当期損益は7億3000万円の黒字に転じたものの、売上高は18.2%の減収、さらに営業損益、経常損益ともに赤字。21年12月期もコロナ禍による厳しい状況が続き、当期利益は900万円と大きく減少し、依然として厳しい状況が続いている。

 4位は子供向けの絵本読み放題アプリや知育アプリを手掛けるアイフリークモバイルだった。平均年齢は29.1歳と若い社員が多い。前回も4位と順位は変わらず。ただし、平均年収は前回の295.6万円から上がり、303.7万円となった。

 5位は「和風レストランまるまつ」や「そば処丸松」など外食事業を展開しているカルラで305.4万円。前回は14位(323万円)だった。

 19年2月期には当期損益で赤字に転じ、さらに新型コロナウイルスの感染拡大により、4期連続の赤字が続いている。

 ランキングの完全版では、6位以下の全1000社を掲載している。年収400万円未満の127社の傾向も分析しているので、ぜひチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 松本裕樹)

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