特集『JR・私鉄「全国376路線」ランキング』(全13回)の#10では、関西の主要60駅について、「自宅の敷地150平方メートル、築25年で延べ床面積90平方メートルの木造自宅一戸建て」という前提で、相続税額を試算した。相続税の高い駅ランキングで、千里中央が18位。高級住宅街として有名なあの街が首位を取った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
生前贈与封じで相続税の負担は重く
関西の主要60駅、あなたの住む街は幾ら?
亡くなった人からの相続で得た、現金や不動産などの財産に課されるのが相続税である。財産から借金などを差し引いた額が、妻や子供など法定相続人の数に応じて決まる「基礎控除額」。これを上回ると課税される仕組みで、財産が多ければ多いほど税率が高くなる。最高税率は55%だ。
事前に対策を講じることで、相続税の負担を合法的に減らせる手法がいろいろある。節税対策の中でも「生前贈与」は代表格とされている。だが、この生前贈与を今後、見直そうという動きが出ている。
相続税を厳しく取り立てようとする政府は、生前贈与の見直しを巡って、2021年度と22年度の税制改正大綱の中で、本格的に検討すると表記している。早ければ23年度にも生前贈与を封じられる可能性があり、ここ1~2年、駆け込み贈与が急増しているのだ。
一般的に相続財産の約4割を占めているのが不動産だ。ただ、相続税の負担額は住む街によって全然違ってくる。そこで今回は土地、住宅、預貯金を相続した場合の税額を、ランキング形式で関西の主要60駅について取りまとめてみた。
不動産への対処は相続税対策の大きな柱の一つである。税額をランキングでチェックし、相続に備えておこう。