「多くの企業が窮乏ではなく、消化不良で息絶えている」これはヒューレット・パッカード共同創業者のデービッド・パッカード氏が1995年、仕事を増やし過ぎる一方、減らすことはほとんどしない企業リーダーの危険性について警鐘を鳴らした言葉である。あまりに多くのリーダーが仕事を増やすことで報酬を受けている現在、この言葉は27年前よりも真実味がある。仕事を増やすことが元来、悪いわけではない。だが、スタッフや機器、ソフトウエア、ミーティング、規則、研修などを野放図に増やしていると、組織や運営があまりに複雑になり、社員は疲弊し、仕事に支障が出る。大半の企業の場合、「引き算」が成功の鍵となる。いたずらに複雑なことに費やされていた無駄な時間とリソースをまずは把握すればいい。プロフェッショナルサービス大手のデロイトは2015年、同社が社員のパフォーマンス管理に費やしている時間を調べたところ、毎年200万時間近くかけていることが分かった。
企業を成功に導く「引き算」の法則
仕事を増やすことが成功のカギだと考えるリーダーは多い
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