トヨタ・クラウン・エステート、“死角”なし!SUVの自由とワゴンの実用性【試乗記】トヨタ・クラウン・エステートRS(左)とクラウン・エステートZ 価格:/THS 810万円.635万円 Photo by Koujirou Yokota

「個性」とは、そのもの特有の性質。クラウン・エステートはSUVの自由とワゴンの実用性、そしてクラウンらしい快適性&先進技術を融合した。つまり“死角”なし!マルチな性格は、唯一無二の特異点といえる。

最新エステートは
「大人のアクティブキャビン」

 クラウン・エステートが正式発売された。諸般の事情により当初の予定から遅れたが、くしくもクラウン誕生70周年のタイミングで最新16代目の4つの個性が揃うことになった。

 最新エステートは、ひと言で表現すると“背の高いワゴン”。ステーションワゴンとSUVを融合した新種のマルチユースモデルである。クラウンにワゴン(当時はカスタムと呼ばれていた)が登場したのは2代目(1962年)から。歴代モデルでは9代目と10代目にはワゴンがなく、11代目で復活したが、12代目以降は設定がなかった。

 高級車クラウンの積載性を強化したワゴンモデルは、それなりにニーズがあった。筆者の周囲でも「ほかに乗りたいクルマがない」と現時点でも愛用している友人が何人かいる。

 開発コンセプトは「大人のアクティブキャビン」。クラウンが持つ品格を備えた、自由を謳歌するパーソナルなクルマを目指している。クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートの4種が揃う最新シリーズの中でも最も“ライフスタイルに寄り添った”キャラクターの持ち主である。ラインアップはRSを名乗るPHEV(810万円)と同ZのHEV(635万円)の2種。PHEVのパワートレーンはスポーツと基本的に共通。HEVは車重の増加に対応し駆動用モーター出力を引き上げた専用仕様だ。PHEVは“アクティブで上質”、HEVは“スマートで実用的”なパフォーマンスが追求され、PHEVには移動時間の質をさらに高める“リアコンフォート”モードが設定されている。駆動方式は、もちろん全車4WDだ。