日本電産・永守会長が「早食い・大声」試験で学生の採用を決めた深い理由早飯試験に関しては無謀だという人もいたが、実はもっとも成功した採用方法だったと永守会長が確信している理由とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

日本電産を売上高1兆9000億円の巨大企業にした永守重信会長兼CEO。創業当初から従業員の育成について熱心に取り組み、社内にもいろいろな塾や経営人材育成プログラムなどをつくって人材を育ててきました。その中で、EQ(Emotional Intelligence Quotient、心の知能指数)の高い社員は学べば学ぶほど、意識が変われば変わるほど、その潜在能力を伸ばし、成果を上げることを実感しているそうです。日本電産で活躍しているのはどのような社員なのでしょうか?また、大声試験、早食いなど一風変わった採用試験を行った理由などを永守氏の著書『大学で何を学ぶか』(小学館新書)より抜粋して紹介します。

けっして自分を卑下するな

 社会で活躍したいと考えている皆さんにまずお伝えしたいのは、自分を卑下してはいけないということである。自分はだめな人間だなどと考えていたら、自分の潜在能力を自分でつぶすことになってしまう。絶対に自分を卑下してはいけない。

 社員や学生が、ずいぶん自分を過小評価しているなと感じたときには、私は彼らにこんなふうに話している。

「君はさっき自分のことを3点だと言っていたな。しかし君の話を聞いていたら、8点くらいの力はあると思うぞ。だから頑張らなきゃだめだ。ここで頑張れば、8点が10点になるんだから」