日本電産・永守会長が明かす「身投げ寸前」の危機と、部下に失敗させる理由永守氏は部下の事業計画を聞いていて、頭の中で「ひょっとしたら3億くらい捨てることになるかもしれないな」と思いながらやらせることもある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

経営者として今まで1万人以上の従業員の採用に携わった日本電産の永守重信会長兼CEO。今までたくさんの大学生や院生を採用してきたからこそ、永守会長は今の若い人たちに何が足りないのか、なぜ元気がないのかが分かるそうです。大学進学を考える高校生に向けた著書の中にも、今の時代を生きるビジネスパーソンへの熱く厳しいエールが随所に見られます。永守会長は、若い社員たちに「失敗したくなかったら、たくさん失敗せよ」と伝えています。また「リーダーこそ挫折や失敗を数多く経験しておく必要がある」と言います。その真意とは?『大学で何を学ぶか』(小学館新書)より抜粋して紹介します。

失敗したくなかったら、たくさん失敗せよ

 若い人のなかには、自分たちはつまらない時代に生まれたとか、今は夢も希望もないと思っている人もいるかもしれない。

 しかし今は、実はチャンスがたくさんある時代だ。また、失敗してもやり直しができる時代でもある。

 たとえば、我が家の次男は起業家だが、今の事業内容は最初に起業したときのものとは違っている。挑戦してうまくいかなかったらそれで終わりということはなく、その過程で得たチャンスや技術を使ってもう一度やり直せばいいのである。そのようにして何度もやり直して成功している人は世の中にいっぱいいる。