米製造業界は金利上昇やドル高、世界経済の減速による影響を実によく切り抜けてきた。だが少なくとも一部のメーカーは、この状態を継続できない見通しだ。米供給管理協会(ISM)が3日発表した9月の製造業景況指数は50.9と、8月の52.8から低下したが、業況拡大・縮小の分かれ目である50は28カ月連続で上回った。S&Pグローバルが発表した米製造業購買担当者指数(PMI)も同じように、先月の製造業活動の拡大を示した。新型コロナウイルス流行当初の落ち込みからの製造業の回復には目を見張るものがある。政府がコロナ支援策として多くの世帯に現金を給付したことやモノへの消費シフトによって需要が拡大し、生産も素早く立ち直った。雇用も同様だ。製造業の雇用はコロナ前より増えたが、これは1970年代以降の景気後退後としては前例のない現象だ。