企業にとって、本当に使える士業はどのような士業で、どのように選べばいいのか。特集『会計士・税理士・社労士 経済3士業の豹変』(全19回)の#12では、士業コンサルタントで『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』などの著書がある横須賀輝尚氏(パワーコンテンツジャパン代表取締役)が、士業を使う企業が持つべき視点を解説する。
トラブル解決だけではない
士業の正しい活用術を伝授
「年に何回、士業に相談しますか」
中小企業の経営者は、弁護士や税理士、社会保険労務士などのいわゆる士業と呼ばれる専門家と、どのくらいの頻度で接点を持っているのだろうか。正確な統計データはないが、おそらく9割以上の経営者が「年に1~2回」と答えるはずだ。
それも分からなくはない。士業に対して、訴訟や労使紛争などのトラブルを解決する専門家というイメージを持つ経営者は多く、「関わりがない=平穏で盤石な経営」との考えが流布しているからだ。また、「何かトラブルが起きたときに、その都度活用するのが士業の正しい、そしてコストを抑えられる関わり方だ」という認識の経営者も多い。
しかし、そんな考えは今すぐにでも捨てた方がよい。大きな機会損失であり、得られるはずの利益を失っている。
世の中には、会社に利益をもたらしてくれる「プロ士業」が存在する。会社を成長させるための「ヒト・モノ・カネ」の獲得に貢献してくれるかどうか、という視点を持つことが重要だ。
現時点で、顧問の士業に支払う報酬以上の利益を得られていなければ、士業の選び方が間違っていると言わざるを得ない。この選択が数千万円、ひいてはそれ以上の利益の差につながる可能性もある。
経営者は士業を積極的に活用するべきで、それにより利益を生み出せる。士業の選び方次第で、確実にあなたの会社の経営は変わる。
本稿では、今選ぶべきプロ士業と絶対に選んではいけないダメ士業の違い、そしてどのようにプロ士業を活用すればよいかを解説した。