効率よく稼ぐ監査法人はどこか――。特集『会計士・税理士・社労士 経済3士業の豹変』(全19回)の#16では、上場会社監査事務所登録制度の情報を基に、監査法人の「会計士1人当たり売上高」を集計し、ランキングを作成した。つぶさに見ていくと、上位に顔を出す監査法人にはある共通点があった。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
会計士1人当たり売上高を大調査
監査法人経営の効率性を分析
監査法人も一つの経営体だ。所属する会計士を効率よく活用して売り上げを増やし、利益を上げていくことができれば、会計士に支払う報酬も弾み、より優秀な会計士を採用できる好循環が生まれる。
ところが今、監査法人にとって効率よく稼ぐことが難しい時代になっている。
というのも、本業である上場企業の監査業務は、厳格化と複雑化で工程が増えており、より多くの会計士を投入しなければならない、割に合わない業務になりつつある。コンサルティングやアドバイザリー業務など、監査に比べて割のいい非監査業務を引き受けようにも、監査に会計士を取られてしまっており、注力しにくい状況がある。
そんな壁を克服し、稼いでいる監査法人はどこか。ダイヤモンド編集部では、日本公認会計士協会が管理する「上場会社監査事務所登録情報」で開示されている監査法人・監査事務所の経営数値を集計。効率性の指標として、監査と非監査を合わせた売上高を会計士人数で割った、会計士1人当たり売上高を算出し、ランキングを作成した。
効率性は、その監査法人の経営力と将来性が如実に表れる指標の一つだろう。次ページでランキングとその作成方法を掲載している。興味深いのは、上位に顔を出す監査法人の中には、ある共通点が見られることだ。