ボラティリティー(変動性)は好機をもたらすが、それにしても今回の変動は何と大きかったことか。S&P500種指数は13日、日中安値からの上げ幅が2020年3月以来の大きさとなった。14日には、その大半を解消した。この乱高下は2022年の大弱気相場がようやく底入れに近づいていることを示唆しているのだろうか。事実に即した答えは、この荒い値動きについて誰も納得のいく説明ができない、というものだ。ショートカバー(売り方の買い戻し)が入った、テクニカルアナリストにとって心理的な節目に達した、プットオプション(売る権利)が損益分岐点に到達した、などの観測はあるが、いずれも証明することができない。ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)で説明がつかないのは確かだ。なぜなら、米国のインフレ率が予想を上回ったという重大ニュースは、債券利回りを押し上げ、当初は株価に打撃を与えたからだ。
米株反騰の謎、単なるベアマーケットラリーか
以前よりも底入れが近いことは否定できないため、投資家が再び売り時ではなく買い時を見いだそうとしても意外ではない
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