ミッションは、「世の中に共感を創っていくこと」

「ゆとりうむ」に関する報道や世間からの注目度が増えているなか、長沢さんは、「立ち上げ期」のフェーズ1から「拡大期」と称したフェーズ2の現在を“道半ば”と振り返りつつ、さまざまな施策を考えている。

長沢 直近では、SNSを使ったキャンペーンを企画しています。新たに行うのは、「家事ハック大賞2022」というもので、生活者の皆さんから「時産」のためのアイデアを募集します。たとえば、洗濯した靴下の同じものを1組にセットするのは時間がかかるので、靴下は同じ種類のものだけを買いそろえ、セット組をするという行為自体をやめてしまうとか……身近な、小さな時産のためのアイデアを集めたいです。年末恒例のアワードがたくさんあるなか、ゆくゆくは「家事ハック大賞」がそのひとつになるといいですね。

 SNSを使ったキャンペーンは、「戦略PR事業」を行うプロジェクト幹事社(ビルコム)にとっては、まさに水を得た魚だろう。それにしても、いわゆる“PR会社”が、なぜ、ゆとりうむプロジェクトという、手間も時間もかかる取り組みを行っているのか? 1社の商品だけでの生活提案は難しいとのことだが、手っ取り早い利益を求めるなら、生活提案は二の次にして、大手クライアントの商品PRに努めればよいのではないか。

長沢 ゆとりうむプロジェクトにおいて、当社は黒子的な立場なので、対外的には「ゆとりうむ=ビルコム」というイメージはあまりないと思います。ただ、内側の視点から見れば、ビルコムという一企業がこうした“共創プロジェクト”を発足し、運営していることには大きな価値があります。当社のミッションのひとつが、「世の中に共感を創っていくこと」であり、その方法が社会と企業の価値をつなぐ姿勢なので、当社一丸となって、ゆとりうむプロジェクトを推進しているのです。

 プロジェクト幹事社(ビルコム)としての現在のいちばんの課題は、参画企業を増やすことだと長沢さんは明言する。企業共創による絶え間ない活動こそが、「時産」の考えを世の中に広げていくからだ。

長沢 参画企業さんの拡大で、生活者の皆さんへの提案も増えていきます。提供する情報が多くなれば、「ゆとりうむ」の考え方も社会に認知されやすくなるでしょう。また、ゆとりうむプロジェクトでは、“アンバサダー”を作る計画もあります。アンバサダーの方々がプロジェクト参画企業の商品開発に関わったり、新商品のモニターになったりすることも考えられます。