リーダーのイメージ写真はイメージです Photo:PIXTA

日本電産の永守重信会長は、「泣かない、逃げない、やめない」の「3ない主義」を貫くことができれば、必ず物事は好転すると説く。【「この円安ではねえ……」「これは私のせいじゃない。私は精一杯やっているが、外部環境がこうも変わってくると難しい。これが限界です」と言ってもよいのであれば、そもそもリーダーは必要ありません。為替も変わらない、売値も買値も変わらない、外部環境も変わらないのだったら、誰が経営しても結果は一緒になるからです。】
*本稿は、永守重信『人生をひらく』(PHP研究所)の一部を抜粋・再編集したものです。

「3ない主義」である限り会社はよくなる

「泣かない」「やめない」「逃げない」「ごまかさない」――。「○○ない」という表現はいろいろありますが、最も重要な3つを選んで「3ない主義」とするならば、「泣かない、逃げない、やめない」になります。

「3ない主義」を貫くことができれば、必ず物事は好転するのですが、実際には、せっかくのチャンスが目の前にあり、一定期間そこで学べば得るものがたくさんあるにもかかわらず、中途半端に「3ない主義」をやめてしまう人が多い。

「いやあ、そう言われても、こんな部下しかいないですから」とか、「こんな急激な円高になったら、もうどうしようもない」とか、「この円安ではねえ……」とか言い訳ばかりしているわけです。

「これは私のせいじゃない。私は精一杯やっているが、外部環境がこうも変わってくると難しい。これが限界です」というようなことを言ってもよいのであれば、そもそもリーダーは必要ありません。為替も変わらない、売値も買値も変わらない、外部環境も変わらないのだったら、誰が経営しても結果は一緒になるからです。

 だからこそ、「泣かない、逃げない、やめない」が非常に重要なのですが、これは簡単なようで意外に難しい。