超お得!【関西】中高一貫・高校&大学最新序列#1Photo by Takeshi Shigeishi

難関大学=国公立大学信仰が強い関西。国公立大合格者数で高校の価値は決まると言っても過言ではない。特集『超お得!【関西】中高一貫・高校&大学最新序列』(全8回)の#1では、関西6府県の高校における京大、阪大、神戸大学、そして東京大学の2022年の合格者数を10年前と比較。伸び率が大きい高校を上位からランキングした。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

「週刊ダイヤモンド」2022年10月22日号の第2特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

10年で難関国立大の合格を伸ばした
関西6府県の高校ランキング

「首都圏よりも、お金にシビアで損得勘定が強い」。関西の保護者の気質を、塾関係者たちはこう評する。しかし、それは、決して“ケチ”という意味ではない。

 下表は、全中学生のうち私立中学に通う生徒の割合を都道府県別に高い順からランキングしたものだ。

 昨今、中学受験ブームの過熱ぶりから、首都圏が上位を占めるかと思いきや、トップこそ25.5%の東京都だったものの、トップテンのうち半数が関西の5府県で占められている。冒頭で述べた「お金にシビアで損得勘定が強い」志向は、「金のかからない公立で十分と考えている」というわけではない。むしろ、千葉、埼玉は10位にも入っておらず、首都圏全体より関西の方が教育熱が高い地域といえるのだ。

 日能研関西の森永直樹取締役は「理念や教育内容はもちろん、純粋に進学実績が学費に見合うか否かを厳しく評価する傾向が強い」と話す。また、「難関大=国公立」という志向が強いのも首都圏とは異なる大きな特徴だ。

 学習塾・阪神進学アカデミーの松田元気社長は「目指す学部が偏差値では早慶(早稲田大学、慶應義塾大学)の方が上でも、地元の国公立大を第一志望に挙げる生徒の方が圧倒的に多い」と明かす。

 関西では難関大合格のための最良のルートについて、価値観が伝統のように根付いていて、それが地域によって大きく異なっている。ある地域では公立高校一辺倒だし、別の地域では私立の中高一貫校を目指すのが人気だ。

 ところが、その“伝統的”価値観が行政の教育改革やコロナ禍などで揺らぎ、序列にも影響を与えている。ここ10年で難関国公立大学の進学実績を伸ばした高校のランキングを見ると、一昔前は平凡だった高校が大きく進学実績を伸ばしているケースも少なくない。

 ある地域で難関公立高校から中高一貫に流れ始めているのはなぜ?名門女子校がピンチの理由は!?

 情報をアップデートしないまま学校選びをすると思わぬ落とし穴にハマることも。今回ダイヤモンド編集部では、関西6府県の高校における京都大学、大阪大学、神戸大学、そして東京大学の2022年の合格者数を10年前と比較。関西の中で人口の多い大阪、兵庫、京都の最新事情を、その伸び率ランキングとともに解説していく。