超お得!【関西】中高一貫・高校&大学最新序列#2Photo:PIXTA

わが子が幸せになるために難関大学、そして良い就職先への最適なルートを選びたい……。特集『超お得!【関西】中高一貫・高校&大学最新序列』(全8回)の#2では、四天王寺、甲陽学院、同志社などそれぞれ公立、中高一貫、大学付属に通う高校生の子どもを持つ関西在住の4人の保護者に、学校選びの経緯、志望する大学や就職について語ってもらった。(聞き手/教育ジャーナリスト 庄村敦子)

「週刊ダイヤモンド」2022年10月22日号の第2特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

保護者&子どものプロフィール

Aさん(父)

父親:教員 母親:パート

甲陽学院高校1年生(男子)

公立小学校→私立甲陽学院中学校→私立甲陽学院高校

希望の進路:京都大学理系学部

Bさん(母)

父親:医師 母親:医師

四天王寺高校3年生(女子)

私立小学校→私立四天王寺中学校→私立四天王寺高校

希望の進路:国公立大学医学部

Cさん(父)

父親:外資系企業勤務 母親:専業主婦

同志社高校1年生(男子)

公立小学校→私立同志社中学校→私立同志社高校

希望の進路:同志社大学(内部進学)、慶應義塾大学(AO入試)、海外大学

Dさん(父)

父親:会社員 母親:会社員

兵庫県内難関公立高校1年生(女子)

公立小学校→公立中学校→兵庫県立高校

希望の進路:大阪大学、神戸大学

公立王国の大阪市で
あえて中高一貫校を選んだ理由

――今の高校を選んだ理由を教えてください。

A 私が甲陽学院OBで、息子が幼稚園児の頃から文化祭に連れていっていました。それで、息子自身が理科の実験や鉄道研究会の展示に興味を持ったようで、受験を決めました。

B わが家は3姉妹ですが、長女と三女が中学受験をして四天王寺に進学しました。女の子なので自宅からのアクセスが最優先です。長女は、開業医だった祖父に憧れて、本人が小学生の時点で将来医師になるという意思が明確でした。さらに、私の医師仲間のお嬢さん2人も医学部志望で、医学部に進学実績がある四天王寺にすでに進学していたことも決め手になりましたね。

 通ってみると非常に面倒見のいい学校で、楽しい学校生活を送れていましたし、結果的に医学部にも合格できて、今年から研修医をしています。三女もそんな姉の姿を見て自然と志望するようになった、といった感じですね。

C もともと大学付属校に進学させたくて小5で学校見学に行ったのですが、息子が一番気に入ったのが同志社でした。フィールドワークや研究を行う「学びプロジェクト」に引かれたようです。

D いわゆる難関の公立を選んだのは、一番は自宅から通いやすいこと、そしてやはり大学の進学実績ですね。また、コツコツと真面目な子が多いという校風だと塾の先生からお聞きして、おとなしい性格の娘に合いそうだなと思いました。娘自身は「制服がかわいい」と言っていましたね。

 ただ、兵庫の公立高校入試は他府県よりも内申点の比重が高く、娘は水泳が苦手だったので心配しました。ちょうどコロナ禍で水泳の授業が中止になり(笑)、それが功を奏したかもしれません。

――兵庫は名門の中高一貫校が多いです。

D 私自身は東京生まれで、中高一貫校出身だったこともあって、娘にも中学受験をさせたかったんですよ。神戸女学院や須磨学園などを検討したのですが、最終的には公立校出身の妻の意向で中学受験はさせませんでした。妻が主体となってサポートしなければならないので、あまり強く言えなかったですね(笑)。娘の友人は割と中学受験していて、女子だと須磨学園を第1志望にしている子が多かったです。

――逆にBさんやCさんが住む大阪市では中学受験より公立高校から難関大学を目指すルートの方がメジャーです。なぜ中学受験を?

京都大学、大阪大学、国公立大医学部、関関同立……「難関大学に入れたい」という気持ちは同じでも、ゴールへの最適ルートは価値観や親の自身のトラウマ、住んでいる場所などによって大きく異なる。公立高校王国であえて中学受験をさせた理由とは?私立中高一貫校に行けば塾は要らない?名門大学で付属校出身者は外部生より劣る?関西の名門高校に子どもを通わせる保護者たちの本音に迫る。