さらに他人から見えるようにしておくことで、現状を説明しやすいというメリットもある。断ることが苦手な人でも、ボードに代弁してもらうことで自分の状況を伝えやすくなるはずだ。

 自己肯定感が低い人やしっかり者のタイプは、自分のキャパシティを大きく見積もることが多い。自分が抱え込む量は多ければ多いほうがいいと思っている人も少なくない。理想の仕事量は、自分のキャパシティの60~70%だ。このくらいの量なら、アクシデントなどが発生しても、冷静に対処できる。

 長期的に必要なことに取り組む余裕が生まれれば、クリエイティブな発想も出やすくなる。自分の荷物を減らしてよりよいものを生み出せる、余裕がある自分を目指したい。

【必読ポイント!】
◆イメージワークで思考のクセをなくす
◇無意識を変えて抱え込みから脱出する

 著者は、カウンセリングの中で問題の解決に役立つイメージワークを紹介している。無意識に働きかけ、長年染みついた思考のクセをなくす効果がある。

 最初は「こんなことで、抱え込みから抜け出せるのか」と疑問に思うかもしれない。しかし、イメージワークで大切なのは、感情を込めずに淡々と取り組み、実践することだ。しだいに無意識で思考が影響を受け、抱え込まない考え方ができるようになる。日々のスキマ時間に取り入れてみよう。

◇心と体を軽くするワーク

 抱え込みで重たくなった心と体を軽くしたいときに効果的なワークを紹介しよう。

 まず目を閉じて、自分が重い鎧を着て、たくさんの荷物を両手に抱えているところをイメージする。ここでは実際の悩みやリアルな状況は考えず、鎧や荷物の感覚に集中しよう。

 次に、その荷物を一つずつおろすところをイメージする。体が少しずつ軽くなっていくはずだ。

 最後に鎧も脱ぎ、裸になったイメージをする。全身が軽くなったら、スッキリした感覚を持って、シャワーを浴びるところをイメージする。実際にシャワーを浴びるのもいい。

 荷物や鎧を手放すごとに、心が軽くなっていくはずだ。