世界のインフラ投資を支える
わが国のプラント輸出企業

 わが国企業は、大規模なインフラ投資や資源開発に必要な高い技術を持ち、工程全体を調整する能力が評価されてきた。そうした評価を背景に、わが国のプラント輸出企業は世界中にその存在感を高めてきた。今回のアルジェリアのテロ事件でも、多くの日本人スタッフが現地の過酷な条件の中で、粛々と業務を行ってきた姿は想像に難くない。

 韓国や中国などライバル企業の台頭もあり、わが国企業の優位性は一時よりも低下したとの指摘もあるが、原油価格の上昇に伴う中東地域のプラント建設需要の高まりや、中国・ブラジルなど新興国のインフラ投資需要の盛り上がりなどによって、その存在感が大きく低下することはなかった。

 プラント業界の専門家の1人は、「日本のプラント企業、特にそこで働く日本人の献身的な活動がなければ、中東などの一部プラントはできていないはず」と断言していた。また、今回のテロ事件で命を落とした人の中には、かつてアルジェリアの情勢悪化時にも同地に残って任務の遂行を優先した人材もいる。

 その意味では、日本企業で働く最前線の技術者は、世界のインフラ整備になくてはならない人材だったと言える。

 今まで多くの実績を残し、プラント建設の最前線で尽力してきた人材は世界中から感謝されるべきであり、卑劣なテロ事件などで落命することはどうしても理屈に合わない。ご本人たちの無念さを思うと、表現する言葉が見当たらない。

 問題は、そうしたテロ事件を根絶することができないことだ。宗教や文化、さらには民族的な対立を考えると、これからも卑劣なテロ行為の発生を止めることは難しい。そうであれば、テロの発生を前提に、我々日本人は“身を守る”ことを十分に考えなければならない。とても残念だが、それが世界の常識なのだ。

 今回のアルジェリアのプラントの安全対策が、特別に弱かったということではない。報道によると、かなり厳重な警備体制が敷かれ、一部にはアルジェリア軍が警護に当たっていたところもあったようだ。